そして私は返り花

「ジャポニズムショー」、華麗にデビューしました。

ステージを離れてから3年が経っていました。
その長いようで短い時間の始まりは、
もう踊らなくてもいい、その開放感が純粋に嬉しかったです。
でもそんな時間はつかの間で、あとはやり場のない時間を過ごしていました。

5年前の秋にベルリンで感じたこと。
レビューショーを観た時からずっとなくしていた気持ち。
もう好きじゃないかもしれない、そう思いながらも続けた関係に、
決定的に「The end」の文字が通り過ぎた。そんな思い。
「ショーダンスは私が踊らなくてもいい。」

それからずっと踊らない理由を探し続けて、
踊りに変わる何かを探し続けて、ずっと見つからなくて、
神保町シアターで古い映画を観ていたら、
踊らない理由がない、ということに気がつきました。

今までずっと、踊りもあれもこれもジプシーのように生きてきたけれど、
生まれ育った日本を文化を大事にしたいとか、私に似合う物は何だろうとか、
形にならない思いを咀嚼して、お気に入りを集めてコラージュして、
そしてステージにあげられる踊り子ができました。

やっとたどり着いたここが最後の波止場でありますように。
そしてここから世界へ出て行けますように。

デビューショーは
「ビバ!ジャポニズム!服部良一と和楽器のロマンティックな世界」
ということで、昭和の巨匠の名曲から、
淡谷のり子の「雨のブルース」「東京ブルース」、
ジャズアレンジの「東京ブギウギ」。
いつもは選ばない歌モノで踊りました。

その冬の終わりと、踊らなくなった私の恋の終わり。
「踊っている君が好きだった。」
安っぽいフランス映画みたいな真夜中の電話と私のCD。

ままになるなら今一度
一目だけでも逢いたいの

別れ話のBGMにならないブルースがしんしんと響いていた。

それからショーのために探すまでかけることのなかったCD。
私はどこにでもあるような小さな幸せが欲しかった。

二度と逢えない心と心
踊るブルースの切なさよ

ショーの帰り道にそのCDのことを思い出して、
季節はまためぐっている。
と、そう思いました。

暑さ厳しきおり、どうぞご自愛ください。
それではまた