あの日あなたと踊ったドレス

気がついたら秋ですね。
短い秋の真ん中にいて、夏の話はなんだか去年のことのようです。
いかがお過ごしでしょうか?

あの日あなたと踊ったドレス
冬の海へと流しに来た
my name is woman
寂しさは身ごもって人生が始まるの

秋になると聞きたくなる「WOMAN」(アン・ルイス)
大人になったらこんな女になって、
終わった恋はひっそりと消化すればいいと、
子供心にカセットテープを何度も聞いていました。

今年に入ってから少しづつ断捨離をしています。
CD、DVD、本、衣装、キモノ、ベリーダンス、etc.。
私が夢中になったもの。マイブームのあれこれ。
過去の私は要りません。と突き放したけれど、
手放す時はやっぱり少し惜しくなる。
何にも固執せず、執着せずに生きていたいのです。

手放したいのに今も手放せないのはバリ舞踊の衣装です。
19歳で東京で習い始めて21歳でバリ島に留学して、
バリ舞踊は多感で寂しかった私のすべてだったのだけど、
いつの間にかベリーダンスに夢中になってやめちゃった。

若さゆえの移り気というか、
ひとつの場所に長居できない性格は今も変わらず、
ちゃんとおいとましてこなかった不義理と後悔がいつも残ります。

そんな、合わせる顔もないバリ舞踊の公演を観に行きました。
私の若さと初期衝動に再会する、懐かしくてちょっとスリリングな時間。
とっくに忘れたと思っていたのに、カラダがバリ舞踊を覚えてました。
目線、息苦しさ、扇子を挟む指の感覚、小道具で擦りむいた手の痛みまで。
カラダ中の細胞が音に合わせて泡立つから、愛しくなって涙が出ました。

初恋の人に再会したら古い記憶は美しく淘汰されていて、
「あの時は、黙っていなくなってごめんなさい。
でもあの時、私は全身全霊であなたが好きでした。
やっとわかったの。今の私は全部あなたでした。
あなたゆずりの癖が今も抜けないの。
またそばにいたくなっちゃうから、もう行くわね。」
みたいな。

「添えない愛」だと思いました。
どんなに好きでも大事に思っていても、続けられない関係がある。
バリ舞踊は大好きだけど私の表現ではなかった。
それはどうしようもない。

別れは終わりではなくて、その人ゆずりの感性はきっとカラダに残る。
恋も同じ、思い出のドレスが辛いなら捨てた方がいい。
でも忘れたいからそのドレスを捨てるなら、何も変わらない。
上手く伝えられないけどそう思います。

砂も地球のかけらなんだと
いつかあなたが話してたね

思い出はいつも美しく残るから、
そんな優しい話をする人に恋をしてはいけないと、
大人になった今はそう思います。

それではまた