夏の魔物

残暑お見舞い申し上げます。

狂気とまごう暑さ、夜も暑いですね。
私は流転する日々に気もそぞろ、眠れない夜があります。
昔から恋の始まりには眠れない夜が続き、
恋の終わりにはよく眠れるたちでした、なんて。

8月の初めに「八王子まつり」に行ってきました。
街道の信号に届く高さの山車と、夜の闇に光る提灯の灯り、
地域に根付く日本の文化と人の熱意。
夏祭りの妖艶さに引きずりこまれるように見ていました。

子供のころの記憶の夏祭りは、許された夜遊びが嬉しくて、
大人たちを横目にはしゃぎ過ぎる、深くてあっという間の夜、
そして夏祭りが終わると夏が終わる。

母と祖母に着せてもらったゆかたと金魚のような帯、
履きなれない草履で登った櫓(やぐら)と盆踊りの興奮。
櫓の上は彼岸と此岸の狭間で、魔物がきっと住んでいる。

ハレとケの差はエロスの深さ..
そんな「あの世」が匂いたつ場所を、私はずっとステージに探しています。

いつか観たコンテンポラリーのステージ、神々しさと狂気に似たエロス、
それはそれは美しいバケモノをひきずりこまれるように観ていました。
私もそんなモンスターになりたい。

残暑厳しきおりお体に気をつけて、
どうぞご自愛ください。